SAYUMI

 ART

Since April 13, 2015 : My Art Works : Tokyo

野村 早佑実

2015 ビエンナーレOME
準大賞「追想」

F80号 油彩 2014年制作

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作品「追想」によせて

 

 私がこの絵を描く時、ちょうどおばあちゃんが亡くなって一年が経つところだった。
 おばあちゃんはとても優しくて、料理が上手で、なんでもきちんとこなす人だった。しかし、私が小さい頃に脳梗塞で倒れ、体の左半分しか動かなくなってしまった。左で文字を書くのも、杖をつきながら歩かないといけないのも、おばあちゃんにとってとても負担になったに違いない。それから、おばあちゃんの性格は少しずつ変わってしまった気がする。毎日「生きてても意味ない」とか、「早く楽になりたい」とか、とても悲観的に考えるようになった。そんな生活が何年も続いて、ついには家族だけでは面倒が見れなくなり、老人ホームに入ることになった。それがきっかけに家族との距離ができ、さらに悲しい言葉を言うようになった。

 私が描いた絵はそんな老人ホームに居た時期のものだ。昔はブラウンでパーマのかかったふわふわのお洒落な髪は黒と白が混じったグレーのぺたんとしてボリュームのない髪になってしまい、まぶたも重くなり、とても弱々しくて見ているのが辛くなった。
だから、そんなおばあちゃんと向き合うのを避けてしまったのかもしれない。私はいつも自分の事ばかり考えていた。実際におばあちゃんと会った時話すのは自分の近況ばかりだった。そんな自分自身をおばあちゃんが亡くなった時にとても後悔した。だから、一年が経って、段々とそういう後悔の気持ちが薄れていく中でもう一度考えてみたいと思ってこの絵に取り組んだ。
 おばあちゃんと向き合うために、とにかく生きていた頃のおばあちゃんのそのままを超リアルな描写で描くことを目標に制作をした。正直、いつもより何倍も大きな画面と言うこともあり、とても辛かった。特に皮膚はすごく複雑な色味を持っていて、一番表現するのに苦労したところだと思う。でも絶対最後まで描ききろうと決めていたので諦めないで描いた。
 不思議なことに、資料にしていた写真ではすこし辛そうに見えた顔も、絵にしていくと、少しだけ笑っているように見えた。それは、昔を思い出して懐かしんでいるように見えた。だからタイトルは「追想」という言葉を選んだ。「追想」とは「去った人を思い出して偲ぶ」という意味もあるので、私もおばあちゃんの事を「追想」するという意味でもぴったりだと思った。

 今となっては本当の事はわからないが、「毎日辛そうだったおばあちゃんも実は昔一緒に生活していた家族のことを思い出して微笑んだり、幸せな気持ちになったりしていたのだろうか」とこの絵を通して考えるようになった。
少し描写だけに走りすぎたかもしれないが、この絵を見て、あったかいと感じた方や、心がこもっていると感じてくれた方もいるので本当にこの絵を描いて良かったと思う。そして、色々なことを考える機会を与えてくれたおばあちゃんに実際に会って「ありがとう」を伝えたい。

追想

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主に油絵を描いています。人を描くのが好きです。

 

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